海外FXの税金を徹底解説!計算方法&確定申告手順&注意点も網羅

海外FXの税金・確定申告

海外FXはハイレバレッジをかけられたり、豪華なボーナスをタダでもらえたりなど、国内FX業者よりも有利に取引ができます。

しかし、海外FXトレードで得た利益に対する税金はどうなるのでしょうか。実際に、税金問題が気になってしまい、海外FX業者の利用を戸惑う人も少なくありません。

そこでこの記事では、FXトレード歴16年の海外FXおすすめ比較トレード編集部(編集長 髙岡和人:別名アグリ)が、海外FXの税金や確定申告手順について分かりやすく解説していきます。

目次

海外FXの税金と確定申告の対象者【会社員】

海外FXの税金と確定申告の対象者【会社員】

「海外FXで税金って、会社員でも払う必要があるの?」と思っている人も多いでしょう。

ここからは、海外FXで取引をする会社員向けに、一定の利益を超えた場合の税金・確定申告の対象条件について解説していきます。

海外FXの税金と確定申告の対象者
  • 海外FXの利益が一定額を超えると確定申告・納税の対象になる
  • 海外FXで税金を払う必要がある会社員


それでは、順番に解説していきます。

海外FXの利益が一定額を超えると確定申告・納税の対象になる

確定申告のルール
  • 1年間(1月1日から12月31日まで)の所得と、それにかかる所得税を計算した上で税務省に申告する
  • 申告期間は原則翌年2月16日から3月15日まで
  • 万が一、利益が出ているにもかかわらず確定申告・納税がなされない場合は、脱税として扱われる

確定申告とは1年間(1月1日から12月31日まで)の所得と、それにかかる所得税を計算した上で、税務省に申告する手続きのことです。

会社員だけに限らず、海外FXで大きな利益を出すと、確定申告をして利益分にかかる税金を支払わなければいけません。

脱税とみなされた場合は、重いペナルティー(追徴税・罰金など)を課される可能性があります

海外FXで税金を払う必要がある会社員

会社員の人は、基本的には勤務先が年末調整を行ってくれるため、確定申告を別途する必要はありません。

しかしながら、以下のいずれかの条件に当てはまる場合は、会社員であっても確定申告をする義務があります。

海外FXで税金を払う必要がある会社員
  1. 主たる給与以外の給与が年間20万円を超える人
  2. 年間給与額が2,000万円を超える人
  3. 2ヵ所以上から給与の支払いを受けている人

つまり、海外FXにおいても同じで利益の合計が年間20万円を超える会社員は、①の「主たる給与以外の給与が年間20万円を超える人」に該当するため、確定申告を行う義務があると分かります。

また、収入のある自営業・専業主婦の人は一般的に確定申告が必要ですが、年間所得が38万円を超えなければ確定申告は不要です。

「主たる給与」とは、2カ所以上から給与をもらっている場合において、年末調整を行なっている方の会社からもらう給与のことです。

海外FXと国内FXは税金の課税制度が大きく異なる

海外FXと国内FXは税金の課税制度が大きく異なる

「海外FXと国内FXは課税制度にどんな違いがあるの?」と気になる人は多いでしょう。

結論から言うと、海外FXと国内FXの課税制度は以下のように大きく異なります。

海外FXと国内FXは課税方法が大きく異なる
  • 海外FXと国内FXは課税区分が異なる
  • 海外FXと国内FXは税率が異なる
  • 海外FXと国内FXは損益通算が異なる


それでは、順番に解説していきます。 

海外FXと国内FXは税金の課税区分が異なる

最初に、課税区分についての違いを説明していきます。

以下のように、海外FXには総合課税の仕組みが適用され、国内FXには申告分離課税の仕組みが適用されます。

海外FX総合課税
国内FX申告分離課税
海外FXと国内FXの課税区分の違い

課税区分には以下の3種類の仕組みが存在します。

課税区分について
総合課税

納税者の他の所得(給与所得など)を合算し、合算額に応じた課税所得を計算する仕組みのこと。

申告分離課税

FXでの所得などを、他の所得と分離して課税所得を計算する仕組みのこと。

源泉分離課税

他の所得と分離する所得のうち、所得を支払う人が納税者の代わりに税金を徴収し納める仕組みのこと。(預貯金の利子など)

また、総合課税と申告分離課税はいずれも所得の区分が雑所得であり、確定申告必須であることが共通点として挙げられます。

POINT

雑所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得」のことを表します。

海外FXと国内FXは税金の課税率が異なる

続いて、税率の違いについて解説していきます。

海外FX累進課税制度による超過累進税率を適用
国内FX一律20.315%の税率を適用
海外FXと国内FXの課税制度の違い

所得が多くなればなるほど課税される税率が高くなるのが、超過累進税率(累進課税制度)の仕組みです。

一方で、国内FXは一律20.315%の税率が適用されるため、それぞれ税率が全く異なります。

一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%を含む)※復興特別所得税は2037年12月31日まで

累進課税とは下の表の通り所得に応じた段階で税率が適用される制度です。

課税される所得金額所得税率(控除額)住民税合計の税率
1,949,000円以下5%
(0円)
10%15%
1,950,000円から3,299,000円以下10%
(97,500円)
10%20%
3,300,000円から6,949,000円以下20%
(427,500円)
10%30%
6,950,000から8,999,000円以下23%
(636,000円)
10%33%
9,000,000円から17,999,000円以下33%
(1,536,000円)
10%43%
18,000,000から39,999,000円以下40%
(2,796,000円)
10%50%
40,000,000円以上45%
(4,796,000円)
10%55%
「海外FXの税率」 (国税庁公式サイトより引用)

また、住民税も一律10%が適用されるので、海外FXを利用した場合の最大税率は55%となります。

それでは、実際に海外FXの所得金額が330万円を超えた場合について税率を比較しましょう。

所得金額が330万円を超えた場合の税率の違い
海外FX

所得税率20%+住民税率10%=合計税率30%

国内FX

税率は所得にかかわらず一律20.315%(住民税率を含む)

以上から、海外FXは所得金額が330万円を超えると住民税を含めた税率が30%になり、国内FXを利用した時の20.315%より税率が高いと分かります。

逆に所得が195万円に満たない場合は税率15%なので、大きな利益が出ない限りは安心だと言えます。

POINT
  • 海外FXは利益が出るほど税率が上がっていく
  • 所得が低ければ海外FXの方が税率が低くなる

海外FXと国内FXは税金の損益通算が異なる

3つ目の違いは損益通算についてです。

損益通算とは、所得金額の計算において赤字である損失と黒字である利益を相殺(足し引き)した上で税金計算を行うことを言います。

海外FX及び国内FXによる損失は、給与所得など他の所得との損益通算ができませんが、以下の場合は例外として認められます。

損益通算ができるケース①海外FX・国内FX
  • 同じ取引同士の場合
    • 例:FX口座(国内OR海外)を2つ持っており、片方で50万円損失、もう片方で50万円の利益を得た場合など

海外FXと国内FXそれぞれで損益通算ができるケースも見てみましょう。

損益通算ができるケース②
海外FX
  • 同じ税区分(総合課税)かつ同じ所得区分(雑所得)の範囲と行う場合
    • 例:仮想通貨、アフィリエイト、ブログ、転売・物販など
国内FX
  • 先物取引に係る範囲と行う場合
  • オプション取引に係る範囲と行う場合

また、取引で赤字が出た場合に国内FXは翌年以降3年間繰り越しが可能です。

例:損失300万円、利益0で損失繰越を使った場合
  • 翌年200万円の利益が出た場合、300万円の損失は利益により相殺されるため納税額は0円になる。

このように損失を繰り越すことによって、今後FXで大きな利益があった時に支払う税金額を相殺することができます。

FXにおける節税対策はいくつかありますが、損失繰越も一つの節税対策と言えます。

POINT
  • 先物取引…将来の売買契約に関してあらかじめ期日と価格等を設定する取引
    • 例:現時点で20万円の宝石を1年後に20万円で購入すると約束する(価格変動した場合も設定価格で購入)
  • オプション取引…将来の権利取引に関してあらかじめ期日と価格等を設定する取引
    • 例:○○株価(原資産)を1年後に3万円で買う権利を300円のオプション料で購入

課税方法の比較表【海外FX・国内FX】

海外FXと国内FXの課税方法の違いは、下の表の通り比較できます。

FX業者海外FX国内FX
所得の区分雑所得雑所得
課税の区分総合課税申告分離課税
税率所得税率5%~45%・住民税率10%
(累進課税制度)
一律20.315%
損益通算一部可能
(海外FX同士・仮想通貨など)
一部可能
(国内FX同士
先物取引・オプション取引)
損失繰越不可3年間可繰り越しが可能
海外FXと国内FXの課税方法の違い

海外FXと国内FXの税区分は同じ雑所得ですが、そもそも税金に対する考え方が大きく異なっていることはあらかじめ知っておきましょう。

海外FXで税金が発生するタイミング

海外FXで税金が発生するタイミング

ここまで海外FXの課税方法について解説してきましたが、実際に海外FXの税金はどんなタイミングで発生するのでしょうか?

海外FXの税金の対象となるタイミング
  • 海外FXの税金は年間所得(利益−経費)が確定した時点で対象となる
  • 「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも課税対象となる

それでは、順番に解説していきます。

海外FXの税金は年間所得(利益−経費)が確定した時点で対象となる

「海外FXで稼ぎ始めたけど、いつ、どんなタイミングから税金が発生するの?」と不安な人にお伝えします。

実際に海外FXの税金を払う必要があるかどうか確定するのは、年末の12月31日です。

1月1日から12月31日までの1年間の間で、海外FXにおいていくら利益が出たかにより確定申告の上で課税対象となる所得が確定し、一定額以上あれば課税の対象になります。

つまり、海外FXで出した利益から損失と海外FXに関する必要経費を差し引いたものが「所得」となり、確定申告上で課税分の所得が計算されることになります。

また、合わせて知っておきたいのは「利益が出る=ポジションを決済している」ということです。

海外FXにおいてポジションを持っている限りは、年を越した場合でも損益が確定されず課税対象にならないことも頭に入れておきましょう。

POINT
  • 売上(海外FXの利益)−必要経費=海外FX所得
  • ポジション…通貨を「買っている」OR「売っている」状態のこと

「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも課税対象となる

ここで一つ注意があります。

海外FXにおいて課税の対象になるものは、売買・トレードによる収入に加えて「キャッシュバック」サービスで得たボーナスも含まれます。

キャッシュバックとは、海外FXのトレードを行う際にコスト(スプレッドなど)の一部がボーナスとして還元されることを言います。

ちなみに、海外FXにおける「キャッシュバック」サービスは大きく分けて以下の2種類です。

海外FXにおける「キャッシュバック」サービス
  • 海外FX業者が独自で行なっている「キャッシュバック」サービス
  • 海外FXのキャッシュバック業者が行なっている「キャッシュバック」サービス

また、キャッシュバックで得たボーナスには実際に現金として出金できるものもあり、これも漏れなく売上として計上する必要があります。

POINT

年内に決済した取引をもとにして海外FXの所得は計算される

海外FXにおける税金の計算方法と必要経費にできるもの

海外FXにおける税金の計算方法と必要経費にできるもの

「海外FXの税金はどうやって計算するの?」「節税のために経費にできるものが知りたい!」と思っている人に向けて、海外FXの税金計算方法と必要経費にできるものについて紹介していきます。

税金計算の公式と必要経費にできるもの【海外FX】
  • 海外FX所得の課税対象額を計算する公式
  • 税金計算の上で必要経費として算入可能なもの


それぞれ順番に解説していきます。

海外FX所得の課税対象額を計算する公式

海外FX所得の課税対象額を計算する公式

売上(海外FXの利益)−必要経費=課税対象額

海外FXにおいて一定額以上の利益が出ると課税されることはお伝えしましたが、実際は利益額から海外FXトレードで必要とした経費を差し引くことが可能です。

POINT

課税対象となるのは利益全てではなく、必要経費を差し引いたもの

税金計算の上で必要経費として算入可能なもの

それでは、実際に海外FXにおける税金計算で必要経費として算入が可能なものには、どんなものがあるのでしょうか?

例として挙げられるのは以下の通りです。

税金計算の上で必要経費として算入可能なもの
  • FXに関するセミナーに参加するための交通費・費用
  • FXに関する勉強用の書籍や雑誌代
  • VPSやFXの自動売買ソフトの購入費用

海外FXの取引をする上で、多くのトレーダーが利用するものとしてFXの自動売買ソフト(EA)がありますが、FXに関するソフトやサーバー(VPSなど)の購入費用は必要経費として算入可能です。

また、海外FXについて学習した勉強用の書籍や雑誌の費用、FXに関するセミナーに係る費用(交通費含む)なども必要経費として算入できます。

このように、必要経費の申告については基本的には自己判断で行っていただくことになります。

上記はあくまでも一部の例であり、他にも必要経費として算入できる可能性が高いものはあるでしょう。しかし、必要かどうかを判断するのは税務署であり、場合によっては経費として認められないこともあるので極端な経費計上は避けましょう。

必要経費として計上することで支払う税金負担は軽くなりますので、漏れなく算入することをおすすめします。

必要経費として算入を希望するものは、確定申告で明細が分かるように領収書などを保存する必要があります。

海外FXにおける年間取引報告書の入手方法

海外FXにおける年間取引報告書の入手方法

海外FX業者の口座から利益を出して確定申告をする時には、年間取引報告書が必要不可欠です。

年間取引報告書を入手すると、確定申告で必要な海外FXの損益額を書面で確認できます。

それでは、実際に年間取引報告書を手に入れるにはどうすればいいのでしょうか。

年間取引報告書の入手方法【海外FX】
  • MT4で取引報告書を入手する方法
  • MT5で取引報告書を入手する方法


この記事では、海外FXの取引プラットフォームのうち世界で最も採用されているMT4とMT5を例に挙げ、それぞれ順番に解説していきます。

MT4で取引報告書を入手する方法

最初に、MT4(MetaTrader4)を使用した入手方法を紹介していきます。

MT4で取引報告書を入手する方法
STEP
取引プラットフォーム「MT4(MetaTrader4)」を起動する

まずは、MT4を起動させましょう。

STEP
「口座履歴」タブを選択する
  • ターミナル最下部のメニューから「口座履歴」タブを選択する
  • 当日の取引履歴または「損益系:0」と表示があるのを確認する
STEP
年間取引報告書を作成する期間を設定する
  • 「口座履歴」ウィンドウの中で右クリックをする
  • ポップアップの「期間のカスタム設定」を選択する
  • 「開始」は1月1日、「終了」は12月31に設定しOKを選択する
STEP
履歴の確認ができ次第、「レポートの保存」を選択する
  • 設定した期間内の取引履歴が表示されるので内容を確認する
  • 「口座履歴」ウィンドウ内で右クリックする
  • ポップアップの「レポートの保存」を選択する

MT4で取引報告書を入手する流れは以上です。

MT5で取引報告書を入手する方法

次に、MT5(MetaTrader5)を使用した入手方法を紹介していきます。

MT5で取引報告書を入手する方法
STEP
取引プラットフォーム「MT5(MetaTrader5」を起動する

MT5を起動させましょう。

STEP
「口座履歴」タブを選択する
  • ターミナル最下部のメニューから「口座履歴」タブを選択する
  • 当日の取引履歴または「損益系:0」と表示があるのを確認する
STEP
年間取引報告書を作成する期間を設定する
  • 「口座履歴」ウィンドウの中で右クリックをする
  • ポップアップの「期間設定」を選択する
  • 「始点」は1月1日、「終点」は12月31に設定しOKを選択する
STEP
履歴の確認ができ次第、「レポートの保存」を選択する
  • 設定した期間内の取引履歴が表示されるので内容を確認する
  • 「口座履歴」ウィンドウ内で右クリックする
  • ポップアップの「レポートの保存」を選択する
  • Open XML」を選択する

「Open XML」を選択することで、XMLファイルの形式で取引報告書をダウンロードすることができます。

MT5で取引報告書を入手する流れは以上です。

海外FXを利用した場合の確定申告の方法

海外FXを利用した場合の確定申告の方法

それでは、海外FXの確定申告の方法について、確定申告の基本も含め具体的に解説していきます。

海外FXを利用した場合の確定申告の方法
  • 確定申告ができる期間
  • 確定申告の種類【白色申告・青色申告】
  • 確定申告に必要な書類
  • 確定申告の手順

それぞれ順番に解説していきます。

確定申告ができる期間

前提として、確定申告は翌年の2月16日から3月15日までの期間に前年度分(1月1日から12月31日まで)の損益を申告しなければいけません。

必要書類の準備にも時間を要しますので、早めに取りかかることが大切です。

万が一、期限を過ぎてしまった場合、追徴課税といったペナルティが課される恐れがあります。

確定申告の種類【白色申告・青色申告】

確定申告には白色申告青色申告の2種類が存在します。

項目白色申告青色申告
対象者全員事業を営んでいる人、不動産
控除金額0円55万円
確定申告の種類【白色申告・青色申告】

一般的なものが白色申告であり、手続きも難しくありません。

白色申告は青色申告に認められる控除はありませんが、会計について知識がない人でも比較的簡単に帳簿の作成ができます。

青色申告は事業を営んでいる人が行うもので、損益計算書といった決算書類が必要で少し難易度が高い印象です。

しかしながら、青色申告者に対しては特典として青色申告特別控除55万円の適用が認められます。

控除が適用されることから、青色申告の方が節税の面では有利と言えます。

青色申告特別控除は、一定の要件を満たすと65万円になります。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類のうち、特に必須とされているものは以下の通りです。

確定申告の必要書類
  • 年間取引報告書など、年間の収支が分かる資料
  • 各種控除証明書(社会保険料・医療費・住宅ローンなど)
  • 本人確認書類
  • マイナンバーカード(または通知カード)
  • 源泉徴収票(会社員など給与所得のある人のみ)

また、提出の必要はありませんが、必要経費の領収書なども手元に用意しておきましょう。

これらの書類が、確定申告書に必要事項を記入する上で必要なものです。

確定申告の手順

確定申告を行う場合には、以下の4通りの方法があります。

確定申告を行い税務署に提出する方法
  • マネーフォワードなどの確定申告ソフトを使い結果を提出する
  • 国税庁の確定申告書作成コーナーで必要事項を入力し、結果を提出する
  • 税務署や確定申告の特設会場に出向き、現地で確定申告書を作成、印刷し提出する
  • e-Tax(イータックス)を利用し、自身のパソコン上で必要事項を入力しオンラインで提出する

「自力で確定申告をする自信がない」「作成するのは面倒くさい」と思っている人は、税理士に作成を依頼することもできるので安心です。

また、納税方法は以下の通りいくつかあるので、最も都合が良い方法を選択することをおすすめします。

納税方法
  • 銀行口座引き落とし
  • クレジットカードによる納付
  • インターネットバンキングで納付
  • コンビニエンスストアで納付
  • 金融機関や税務署の窓口で現金として納付

確定申告を行うことで実際に納税すべき金額が分かるので、無理のない範囲で確実に行うようにしましょう!

POINT

海外FXは雑所得に分類されるため、雑所得部分に収支を記入する必要があります。

海外FXにおける税金の試算【給与400万円】

海外FXにおける税金の試算【給与400万円】

この記事では、会社員であるサラリーマンの年収を400万円と想定し、海外FXの税金についてケースごとに実際に試算をしながら解説していきます。

なお、あくまでも想定上の試算ですので参考程度にご覧ください。

【給与400万円】海外FXにおける税金の試算
  1. 給与400万円で海外FX所得が50万円だった場合
  2. 給与400万円で海外FX所得が100万円だった場合
  3. 給与400万円で海外FX所得が400万円だった場合
  4. 給与400万円で海外FX所得が1,000万円だった場合

それでは、順番に解説していきます。

給与400万円で海外FX所得が50万円だった場合

所得税約900,000円
(450万円×20%)
控除額▲427,500
住民税約450,000円
(450万円×10%)
復興特別所得税約9,900円
税金額の合計 (参考)約932,400円
【給与400万円】海外FXにおける税金の試算①

サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が50万円であった場合、税金額は約93万円となります。

給与400万円で海外FX所得が100万円だった場合

所得税約1,000,000円
(500万円×20%)
控除額▲427,500円
住民税約500,000円
(500万円×10%)
復興特別所得税約12,000円
税金額の合計 (参考)約1,084,500円
【給与400万円】海外FXにおける税金の試算②

サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が100万円であった場合、税金額は約108万円となります。

給与400万円で海外FX所得が400万円だった場合

所得税約1,840,000円
(800万円×23%)
控除額▲636,000
住民税約800,000円
(800万円×10%)
復興特別所得税約25,000円
税金額の合計 (参考)約2,029,000円
【給与400万円】海外FXにおける税金の試算③

サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が400万円であった場合、税金額は約203万円となります。

給与400万円で海外FX所得が1,000万円だった場合

所得税約4,620,000円
(1,400万円×33%)
控除額▲1,536,000円
住民税約1,400,000円
(1,400万円×10%)
復興特別所得税約65,000円
税金額の合計 (参考)約4,549,000円
【給与400万円】海外FXにおける税金の試算④

サラリーマン(会社員)としての年間給与が400万円、海外FXの年間所得が1,000万円であった場合、税金額は約455万円となります。

税金の計算については、人それぞれ家族構成・社会保険料・控除額などの状況が違うため、正式な税額を計算する際は、お住まいの地域の税理士や税務署等でご確認ください。

海外FXの税金と支払いに関する注意点

海外FXの税金と支払いに関する注意点

「海外FXの税金には抜け道があるの?」「勤務先に知られない対策が知りたい!」といった悩みを持つ人に向けて、この記事では海外FXの税金と支払いに関する注意点を解説していきます。

海外FXの税金と支払いに関する注意点
  • 海外FXの税金には抜け道がなく、脱税はバレてしまう
  • 海外FXの税金はある対策を取れば会社に知られることがない
  • 海外FXにおけるボーナスは税金計算の対象外である

それぞれ順番に解説していきます。

海外FXの税金には抜け道がなく、脱税はバレてしまう

海外FXは稼げば稼ぐほど税金が高くなる仕組みなので、「抜け道があるのでは?」と思っている人も少なくないでしょう。

結論から言うと、海外FXの税金には抜け道はなく、万が一脱税をするとバレてしまいます。

その理由は以下の通りです。

海外FXにおいて脱税がバレる理由
  • 海外FX業者とのやりとり内容(入出金履歴等)が金融機関に全て残っている
  • 高額の入出金があった場合は、国内銀行より「国外送金等調書」を介して税務署に通知される
  • 「CRS(租税回避制度)」によって、国税庁は海外FXの利益に関する情報の取得ができる

どうしても海外FXで課される税金を抑えたい場合は、以下のように法人化や海外への移住を検討するのも一つの方法です。

海外FXの税金を安く抑える方法
  • 個人トレーダーから法人化し、税率を低く抑える(最大税率は33%程度)
  • キャピタルゲインに対し課税制度を設けていない国に移住する(シンガポールやドバイ等)

しかしながら、こういった方法は一定のコストがかかるため比較的稼げるようになってから要検討しましょう。

海外FXの税金が高いと考えるのは、あくまで年間300万円以上の利益が出ており税率が高くなる場合に限ります。

海外FXの税金はきちんと対策を取れば会社に知られることがない

会社にお勤めの人によっては、副業を禁止されているケースも多いでしょう。

結論から言うと、対策をしっかり取れば会社に知られず海外FXトレードを行うことは可能です。

対策内容は以下の通りです。

海外FXの税金が会社にバレない方法
  • 給料とは別に海外FXで取引して得た利益分の住民税を自分で納税する

※確定申告をする際は「自分で納付」を選択、住民税の納付方法は「普通徴収」を選択する

なお、自分で納税するには手間がかかるだけでなく、納税資金を手元に残しておく必要もあるので注意しましょう。

海外FXにおけるボーナスは税金計算の対象外である

最後にお伝えする注意点は、海外FXにおいて発生したボーナスは税金計算対象外であることです。

海外FXには口座開設などの特典としてボーナスが存在し、ボーナスを元手として取引をすることができます。

しかしながら、海外FXのボーナスは税金計算の対象外であり、確定申告などで税金額を計算する際は除外しなければいけません。

なぜならば、ボーナスは基本的に出金できない(現金としての価値を持たない)からです。

うっかり計算に含めてしまわないように気をつけましょう。

なお、海外FX業者のボーナスについては以下の記事でさらに詳しく紹介しているので是非参考にしてみてください。

海外FXの税金を考える際によくある質問

海外FXの税金を考える際によくある質問

それでは、海外FXの税金を考える際によくある質問とその回答について紹介していきます。

海外FXの税金事情が分からず、足を踏み出せずにいます。やはり海外FXは国内FXに比べると税金の負担が大きいのでしょうか?

海外FXは、稼げば稼ぐほど税金が高くなる仕組みになっています。

なぜならば、所得の分類が雑所得となり、最大45%の累進課税制度が適用されるからです。

双方を比較すると、1年間の海外FX所得が330万円を超えることを境目として、海外FXの方が税金が高くなります。

海外FXで稼げるようになったので、税金が高くなり困っています。海外FXの税金を安く抑えるには何が対策がありますか?

海外FXの税金を抑える方法は次の3つがあります。

税金を抑える方法
  1. 海外FXの取引に関わる費用を経費計上する
  2. 個人トレーダーから法人化し、税率を低く抑える
  3. シンガポールやドバイなどの、キャピタルゲインに対し課税制度を設けていない国に移住する

2と3については一定のコストもかかるので、要検討をおすすめします。

副業禁止の会社に勤めているのですが、海外FXで税金が発生しても会社にバレない方法はありますか?

はい、ございます。

海外FXで利益が出て税金が発生した際に、利益分のみ別途ご自身で確定申告をし納税することで、会社にバレるのを防げます。

必ず住民税の納付方法で「普通徴収」を選択するようにしてください。

海外FXの税金は、何かしらの抜け道を使い脱税をした場合にバレてしまいますか?

結論から言うと、海外FXの税金が安くなるような抜け道はないので脱税も不可能です。

なぜならば、税務署・国税庁は海外FXに関わる送金・決済等の情報についての報告を、定期的に金融機関から受けているからです。

後々調査の上で必ず判明しますので、ペナルティを受けないように必ず納税を行なってください。

先月会社を辞め、現在は無職です。これを機に海外FXを始めようと思うのですが、海外FXの税金は無職でも納税する必要がありますか?

はい、場合によっては支払う義務があります。

現在無職であったとしても、海外FXの年間所得が38万円を超える場合は、確定申告の上で納税する必要があります。

節税対策として法人化をおすすめされたのですが、海外FXの税金が法人の方が安くなるのはなぜでしょうか?

日本における法人税は、最大約33%の税率です。

例えば、海外FXで1,000万円を超えるような大きな利益が出ている場合は、個人から法人に移行し取引をした方が税金は安くなります。

ふるさと納税を国内FXの税金対策として利用しているのですが、海外FXにも同様に利用できますか?

はい、利用できます。

海外FXで利益が出ている場合も、国内FXと同様にふるさと納税で税金対策が可能です。

最近海外FXを始めたのですが、知識をつけるために遠方のセミナーに行きました。会場までの交通費とセミナーの費用は経費として算入できますか?

はい、海外FXに関するセミナーの交通費及び受講費用は必要経費として計算できます。

セミナーへの交通費をICカードで支払ったので領収書がありません。この場合は経費として精算できないでしょうか?

基本的には可能です。

利用区間・区間料金などの履歴が残っていることが条件なので、スクリーンショットなどがあれば証拠として提出してください。

海外FXの税金まとめ

海外FXの税金まとめ

この記事では、多くの人が気になっている「海外FXの税金」について、国内FXとの課税方法の違いや確定申告の方法なども含め解説してきました。

海外FXを利用する人は、課税の仕組みの違いを理解した上で取引を行い、利益が一定額以上出た際は必ず確定申告を行うようにしましょう!

目次